読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ランチにビール

愛顧、お願いします

『ソンブレロ落下す―ある日本小説』リチャード・ブローティガン:ソンブレロってなに?

★★★★☆ 70年代 アメリカ

f:id:psy22thou5:20170225193823j:plain

ソンブレロってなに?

『ホークライン家の怪物』(1974年)に引き続き、R・ブローティガンの長編8作目、ソンブレロ落下す―ある日本小説』(1976)です。神保町の古本屋さんで手に入れた一冊です。

思うに、ブローティガンはプロットとか構成を意識せずに小説を書いた作家なのでは、と推察するが、その傾向が顕著な一作である。じっくり練って話を作るような作家とはとても思えない。

続きを読む

『「本をつくる」という仕事』稲泉 連:一筋縄じゃいかない製本・出版の世界

番外編

f:id:psy22thou5:20170220152809j:plain

 

一筋縄じゃいかない製本・出版の世界

筑摩書房の新刊です。

作家や編集者ではなく、製本・印刷・製紙といった視点から「本」というものを捉えるのは面白い試み。本が好き➡出版社就職、と思い込んでる就活生はぜひ一度目を通すべき一冊。

本に携わる仕事は、実はこんなにたくさんある。

 

続きを読む

『ホークライン家の怪物』リチャード・ブローティガン:サスペンス?ホラー?奇妙な館へようこそ!

★★★★☆ アメリカ 70年代

f:id:psy22thou5:20170217231349j:plain

 

サスペンス?ホラー?奇妙な館へようこそ!

大好きな作家、リチャード・ブローティガンの長編6作目、『ホークライン家の怪物』(1974年)です。

現在絶版中で、ぼくは数年前に下北沢の古本屋で手に入れました。R・ブローティガンという作家は、日本でも根強いファンが多いことで有名ですが、長編はこの6作目以降、どれも絶賛絶版をかこっています。

ブローティガンといえば『アメリカの鱒釣り』(1967)、言わずと知れたアメリカ文学史に残る名作を書いた男ですが、この『ホークライン家の怪物』以降はどうも「パッとしない」と思われがちです。

なんでも、様々なジャンルに挑戦していた時期らしく、悪い意味で「普通の小説」ばかりだったと言われることが多いそうで。

しかし、声を大にして言わせてもらいたい。

中期のブローティガンは最高なんだ!!

 

続きを読む

『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ:4人のメンヘラと1匹の犬にまつわる究極(笑)の恋愛小説

★☆☆☆☆ チェコ 80年代

f:id:psy22thou5:20170217191256j:plain

 

4人のメンヘラと1匹の犬にまつわる究極(笑)の恋愛小説

ぼくはこれが「恋愛小説」だと聞いていた。そう、海外文学を少しでも齧っている人間なら誰だって知っている。『存在の耐えられない軽さ』(1984)は恋愛小説だ。

しかし、これは一体どういうことだ? 

開始早々、ニーチェの哲学的思念について聞かされるとは?

永劫回帰という考えは秘密に包まれていて、ニーチェはその考えで、自分以外の哲学者を困惑させた。(第1部-1)

 困惑しているのは我々だ。

歴史的にもまれに見るクソ導入だと思う。ソロの一音目からハズすようなもんだ。この掴みの酷さは、かの『モンテ・クリスト伯』にも劣らない。

 

続きを読む